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村上隆の五百羅漢図展@森美術館 [Art]

Kaikai Kiki GalleryやBar Zingaroなど、小規模ながら展示されている氏の作品を目にする機会はありますが、ここまでの大型な企画展ともなれば、次回はいつになるかも分からないですし、これは見ねばと森美術館へ。

日本国内において2001年以来14年ぶりとなる大型個展。

作品一つ一つの圧巻的なスケール感。
はたまた細かい部分に目を向けても、緻密な部分まで丁寧に塗り分けられた絵の具や、デジタルと融合した創造性の高い作品性。
目で見て楽しめ、感覚的にも楽しめるエンターテインメント力の高さは流石の一言。

今回の目玉でもある『五百羅漢図』に至っては、全長100mに及ぶまさに超大作。
氏を中心とする幾人もの"アート集団"によって、見事なまでに作り込まれた作品は、日本美術と現代アートの融合という意味でも、非常に興味深い作品でした。
デジタル化された制作工程に加え、まるでアニメーションを作るかの如き背景の作り込みやサンプリング、キャラクター造形、さらにはポージングや直接関わらない部分でのキャラ設定など、氏の提唱する『スーパーフラット』という概念が、この作品には制作工程含めて詰まっているなと実感出来ました。

それと個人的に嬉しかったのは、一部制限はありますが写真撮影が可能だったこと。
作品を見る上で、やはり何かしら手元に残したいという欲求はあるので、こういった事が可能なのは本当に有り難い事です。
※入り口に説明があるというのも丁寧な配慮で良かったと思います。

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エヴァンゲリオン展@松屋 銀座 [Art]

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先日、松屋銀座で行われていたコチラに行ってきました。
流石はエヴァって感じの混み具合と幅広い層の来場者。内容としては、『破』のあるシーンに焦点を絞って、絵コンテや原画、3DCGなどで製作過程を細かく紐解いてみたり、膨大な設定資料や複製原画の展示などなど。点数は本当に膨大な量で、1枚1枚細かく追っていくと相当な時間を要するほど。設定資料好きな私としては、描く人によって微妙な違いの分かる各キャラクターの設定画も良かったのですが、月面のタブハベースやヤシマ作戦時の二子山など、建造物系の設定画が非常にそそられました。


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よくよく見ると非常に格好良い8号機。修正原画デザインが良く思わずクリアファイル購入。


アンドレアス・グルスキー展@国立新美術館 [Art]

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またしても平日休暇の機会が。と言う事で、国立新美術館で行われているアンドレアス・グルスキー展へ行ってきました。

オークションハウスのクリスティーズで、写真作品史上最高額の430万ドルで落札された事もある氏の日本初の個展(らしいです)。"写真を使った画家"とも言われているらしく、デジタル技術を駆使した作品群は、一見すると普通に撮影したような写真に見えるのですが、よくよく見ると普通に撮影した写真ではありえない事に気付かされます。写真の被写体全てにピントが合っていたり、加工によってまるで絵のように変化していたり、通常の撮影では写り得ない角度の被写体(景色)が1枚の写真に収まっていたりと、捉えるモノ、景色だったりのセンスの良さは流石の一言ですが、それらに加わったデジタル技術が何とも言えない不思議な感覚を覚えさせてくれます。見ていて楽しいのはもちろんですが、絵画と写真の間のような作品という部分では、私の好きな美術家ジュリアン・オピーにも通ずるところがあり、今後も注目していきたいアーティスト。いやぁ、本当良かったです。


平日アート [Art]

先日、数年ぶりに平日休みが取れたので気になっていた企画展を鑑賞に。

まずは、デザインあ展へ。
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平日にも関わらず若干の並びが…。ものの数分程度で入れましたが、休日、特に昼間はかなり混雑しているみたいです。
で、肝心の中身ですが、普段何気なく使っているモノでも、視点や捉え方をちょっと変えるだけで、こうも楽しいものになるという中々に面白い内容。柔軟な感性や発想が生み出すモノは改めて面白いなぁと実感しました。

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その後は、お隣の国立新美術館で行われている「カリフォルニアデザイン1930-1965"モダン・リヴィングの起源」へ。
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こちらはいわゆる"ミッドセンチュリー"なデザインをテーマにした企画展で、家具やファッション、陶芸、建築、グラフィックなどを通して、ミッドセンチュリーというカルチャーを検証している見応えたっぷりな内容。
チャールズ&レイ・イームズを始めとする著名なデザイナーの作品が展示され、シンプルながら、今でも古さを感じさせない作品の数々に感服するとともに、それでもどこか懐かしさを感じさせる佇まいというのが、ミッドセンチュリーの良いところなのかなと思いつつ鑑賞してきました。
何気にポイント高かったのが、映像作品を鑑賞するイスも全てミッドセンチュリーモノだったこと。さりげない感じでしたが、中々の凝った演出、良かったです。

最近は絵画作品の鑑賞が割と多かったのですが、今回のような『モノ』から感じ取るアートって、やっぱり感性の刺激になるなと再認識。これが何か役に立てば尚良いんですケド(笑)…。


小笠原美環「beyond silence」@SCAI THE BATHHOUSE [Art]

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雨の中、SCAIへ行ってきました。
と言うのも、久々にSCAIのHPを覗いたところ、現在行われている企画展がドンズバで自分好みな作品だったので、これはもう雨だろうが行くしかないなと。

現在行われている、小笠原美環さんの企画展「beyond silence」については、SCAIのHPに「何気ない日常の光景を見つめている間に、いつのまにか深い精神世界に迷い込んだような錯角を起こす絵画。」とあるのですが、まさにこの通りの感想。
光と影のコントラストが素晴らしく、取り分けインテリアを題材に書かれている作品はそれらが顕著に表れ、シンプルで無機質な空間に差し込む光は淡く青白い色となって浮かび、作品の奥行き、精神性を何倍にも増幅させている印象を持ちました。
まるで自分がその空間に入り込んでしまったかのような錯覚を覚え始めると、この手の作品はずっと見ていても本当に飽きないんですよね。似た感覚というか、直島にある地中美術館のモネの作品も同様の感覚を得られる作品。あそこは作品単体というよりかは、部屋全体がある種の精神世界のような感じなので、部屋に入った瞬間から違う空間に入ってしまったような錯覚を覚えます。
それにしても小笠原さんの青白い白の使い方、凄く良かった。絶妙なさじ加減が本当に素晴らしい。
それと、SCAIで見るときは天候によって作品の印象が大分変わることに気付かされました。晴れの日の日光が差し込む空間より、ちょっと薄暗く、雨音が感じられるくらいの今日のような天気の方が、個人的には小笠原さんの作品は合っているのかなと。
18日までやっているようなので、興味のある方は是非。


フランシス・ベーコン展 [Art]

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先週末、東京国立近代美術館で行われているフランシス・ベーコン展へ。

話題の展覧会だけに来場者は多め。ピカソと並ぶ美の巨匠との事ですが、私は今回の展覧会までその存在さえ知らずでして…(恥)。特段興味を抱いていた訳では無いのですが、なるべく有名な作者の展覧会には行ってみようと思っており足を運ぶ事に。
点数自体は多くもなく少なくも無くの、割と見やすい作品数。どれも存在感に長けている作品ばかりで、ベーコンの精神性、心情といったものが深く表現されている印象を受けました。作者の作風の変化なども分かりやすく展示されていたのも良かったかと。それと、何よりもインパクトが大きかったのは彼のアトリエ。まさに"カオス"という言葉がぴったりな部屋で、確かにこの部屋で過ごしていれば、これだけの作品が生まれるよなと思わず納得。
また、常設展も中々面白い展示内容で、日本画から現代アート、草間弥生さんの作品などもあり何気にセンス良し。個人的に嬉しかったのはジュリアン・オピーの『日本八景』が展示されていた事。非常に好きな作品だったのでナイスサプライズでした。


第16回文化庁メディア芸術祭 [Art]

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本日開催最終日、昨日それを知って大急ぎで行ってきました。(もうちょっと遅い時期の開催かと思ってた…)これで一応3年連続での鑑賞となる文化庁メディア芸術祭。
昨年はかなり中身の濃い感じでしたが、今年は若干物足りなさ感が、、、。規模的にも何だか縮小していた気がしたけど気のせいだろうか。正直、別の展示室で行われていた『東京五美術大学連合卒業・修了制作展』の方が面白かった。



LASTEXILE GALLERY vol.2@pixiv Zingaro [Art]

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4月に行われたvol.1に引き続き、先日まで行われていたvol.2にも行ってきました。
いわゆるスチームパンクに属するアニメで、2003年に放送された『LASTEXILE』と、昨冬に放送された続編『LASTEXILE-銀翼のファム-』に関する設定画を集めた展示会。

メインはメカニックと美術面の設定画の展示でしたが、両面を担当された小林誠氏のイラストは1枚1枚にびっしり書き込まれた説明の数々が本当に細かく緻密で、作品のクオリティの高さが伺えるものばかり。とりわけこの作品のメインでもある"ヴァンシップ"を主とする航空機(艇)関係の設定画には細かな説明がなされており、かなり興奮気味に鑑賞。設定画は壁を埋め尽くすほどの膨大な量で展示されていて、中には劇中には出てこない裏話的な事まで書かれているという、作品のファンとしては最高な展示。(出来る事なら額に入れて飾りたいレベル)

また、今回は少なめでしたがキャラクター原案等を担当された村田蓮爾氏の作品も展示されていました。こちらもやはりこの作品には欠かせない要素。前回のvol.1では村田氏の作品集を購入しましたが、そこに掲載されていた前作『LASTEXILE』のキャラデザ、メカニックに関する設定画の数々は、小林氏同様に細部まで細かく書き込まれ、そんなところまでと驚くほどに緻密な設定がなされた素晴らしい内容でした。

その他、絵コンテや小林氏製作の模型(作り込み度ハンパない!)なども展示。

単にアニメの設定画と言ってしまえばそれまでですが、細かく描写されたイラストやそこから感じ取れる世界観は最早アートな部分にも匹敵&通ずるクオリティ。両氏の作品愛はもちろんの事、個人的にはこれらがこの作品最大の魅力かなと思います。


会田誠展:天才でごめんなさい@森美術館 [Art]

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楽しみにしていた、『会田誠展:天才でごめんなさい』を鑑賞しに森美術館へ行ってきました。

このタイトル、センスが良いか悪いかは別にして、ここまで的を得ていて納得してしまうタイトルは今までに無かったんじゃないだろうか。それくらいこの展覧会は『最高に面白い』展覧会でした。個人的にも、今まで見てきた中で最高の展覧会だと思います。
絵画作品、映像作品、インスタレーションと多岐にわたってその才能を発揮する氏の作品群。美術家らしい絵もあれば、ヘタウマな絵、思わず「下らねぇ…」と思ってしまうバカバカしすぎる作品(でも最高!)、18禁(!!)になった部屋に展示されているエロ&グロな作品など、エンターテインメント性に富んだ内容はまったく飽きずに鑑賞できる素晴らしい内容。笑いをこらえるのが困難なほどに楽しませてくれる今までに無い展覧会でした。
今回は音声ガイドなし、予備知識無しの単純に自分の感性だけで鑑賞したので、もう一度、確か次号の美術手帖が会田誠特集だったので、そちらを熟読した上、改めて作者の意図などを理解(出来れば)してから鑑賞してみようと思っています。

いやぁ本当、最高に面白かった。


Nanae Yamada Solo Show “Negative”@アートアイガ [Art]

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昨年、Hidari Zingaroで行われた『HERBEST展』で見て気になっていた作家、山田七重さんの個展を見に八丁堀のアートアイガを初訪廊。
偶然開催していることを知り、中々都合が合わなかったのですが、何とか最終日に行くことができました。ビルの2階のこぢんまりとしたスペースは、手作り感のある感じが心地良いスペース。点数はそんなに多くはなかったけど、どれも見応えのある緻密な描写で面白かった。
「これで見ると凄さが分かりますよ」と借して頂いたルーペを使って見た点描やハッチングの細かさには驚かされたし、「無表情で奥深い、陰鬱でどこか怖さのある」と私が好む作品の感じ、かなり堪能できました。


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